今日、衆議院が解散。
その時、ぼくは麻生太郎首相の「地盤」、小雨の秋葉原にいた。
キャッチフレーズは、「ちょい悪オヤジ・オレ達の太郎!」
解散宣言の日だと言うのに、活気ゼロの秋葉原。世論調査で支持率が低迷するタローを象徴しているかのようだ。
「焼肉定食480円」の看板に釣られ、中央通りのソフマップそばのレトロな昭和風の食堂に行くと、オーランド・ブルーム風の白人の隣りの席を案内された。オーランドは、ブタ丼の「超大盛り」にちょうと箸をつけようとしていた矢先だった。味噌汁を飲んでいる。おいしそうに飲んでいる。かなり筋肉質なバディとみた。
"Are you Japanese?" とぼくは声をかけた。
いや、そう声をかけようとしたけど(たまに使う手)、実際は"Are you American?" と聞いた。
「チガイマス。イタリア人デス」 と日本語が返ってきた。オーランドは、イタリア北東部のスロベニアそばの町から一人で観光に来ているという。趣味は日本食。
ぼくが自分の空腹を紛らわすために身勝手なインタビューをし続けていると、驚いたことにオーランドはさきほどからまったくブタ丼に手をつけず、ひたすら味噌汁をぐびぐび飲み続けているではないか。
「こ、こやつ、ミソスープを食前のコンソメスープと勘違いしてやがる....ち、ちがうんだよ、チミ...」
と注意しようと思ったちょうどその時、「ぷは~」 と彼はすべてを飲みつくしてしまった。
この意外性、この変則性。
日本人だったらまずこういう味噌汁の飲み方はしない。ブタ丼を食べながら、たまに味噌汁をすする。
ところが、オーランドはやってしまった。そしてすぐさまモンスターブタ丼にがっつき始めた。
箸の使い方はまあまあだ。ぼくの小学生時代レベル。でも、米粒をしっかり口に運べてるから機能はしている。今度の衆院選挙は、ある意味でこういう「意外性」が求められるような気がする。解散はいつ? 解散はいつ? 解散はいつ? と問われ続けながらようやくキックオフ。既定路線だろう。だからこそ新しさが、そう、「ブタ丼を食うまえに味噌汁をぜんぶ飲み干してしまう」意外性がアピール力を発揮する。
タロー首相が、日本の敗戦日に靖国神社に参拝するとかね。
さて、オーランド・ブルームに話を戻そう。
この27歳ぐらいのイタリア人は、浅草に宿泊しているという。金持ちそうには見えないが、日本はかなり好きそうだ。一ドル90円代前半のこんな円高のときに、わざわざ東京に二週間の旅にくるんだから。
「キノウハ シンカンセンデ マツシマ イキマシタ」
松島は、なんと日帰りだったという。
ようやくやってきた焼肉定食をぼくは食べながら、ぼくの「視線をあわさないインタビュー」は続く。
「イタリアのベルルスコーニー首相は、ポルノ俳優なんだね」
そう、今朝のニュースで彼と売春婦の「ベッドで待ってろよ、ベイベ~」という会話がネットに流出した、と報じられていた。スキャンダル性はピカイチだ。
「I hate him! 」
その瞬間、オーランドが英語でぴしっと言った。その時、彼の箸が停まった。
どうやらポルノスターの首相は、このイタリアの若者にとって反吐がでる存在なようである。
オーランド・ブルームと卵のふりかけ
白いご飯にアクセントをつけるため、ぼくはなぜか目の前にあった卵のふりかけを豪快にぶっかけた。
「これはね、日本で一番人気のあるスパイスなんだ。まあ、イタリアのパスタにぶっかけるチーズとドライ・ガーリックみたいなものさ」
と適当にぼくが言うと、オーランドは「ワカリマシタ」 と琴欧州のような健気な視線(でも、あわさない)のまま、なんとブタ丼の上から卵ふりかけをぶっかけはじめた。ほんのちょこっとだろう、とぼくは冷や冷やしながらみていたが、五秒たっても十秒たっても振り続けている。
「オ、オーランド.........ジョニー・デップに叱られるぞ!」 と強制停止させようと思ったそのとき、彼の腕はとまった。おそらく十五秒から二十秒ぐらいぶっかけただろう、そのせいかブタ丼はいつの間にか「卵丼」に様変わりしている。
それをイタリアンマフィアの勢いで(小学生レベルの箸さばきで)口にぶっこむオーランド。
「オイシイデス」
この意外性、それをアキバの「英雄」麻生タローはマニフェストに、いや、行動を投票日までにとれるかどうか。
写真に載っている”ちょい悪”、のイメージは、どちらかといえば映画"Pirates of the Carribean" のジョニー・デップ。イタリアのサミットで泥酔記者会見をした中川前財務大臣もある意味で、ちょい悪だったが、それよりもパイレーツ映画の中のオーランド・ブルームのようなキャラクターになりきれるかどうかが、今回の関が原の勝敗の分かれ目となろう。
「日本を明るく強くするぜ!」
と銘打ったこのタローちゃんまんじゅうは、靖国神社で「好評?」発売中。
赤絨毯の一番向こうでは、小泉純一郎前首相が「Goodbye! 応援するよ」と手を振っている。郵政民営化に賛成じゃなかった、と総理就任後に言った麻生タロー首相を、小泉さんが今、本当に応援しているかどうかは疑わしいが、少なくともこのまんじゅうが誕生した時点では、多少なりとも応援していたのかもしれない。
ただ、コイズミさんの場合、引退してコータローの弟に禅譲したわけだから、本当にGoodbyeになってしまった。
それでは、この表紙に載っている閣僚たちのうち何人がGoodbyeになるのだろうか? タロー総裁はHello! というのか、それともGoodbyeということになるのか。答えはキミだけが知っている.....
最後に一つ。
これまで「タロー」総裁を、日本史は何人か生んできた。
桂太郎(1901-1906, 1908-1911), 鈴木貫「太郎」(1945), 橋本龍「太郎」。
そして今回の麻生タロー。
最初のタロー総理だった桂太郎が総理大臣の席を後にした日は、1911年8月30日。
奇しくも今回の総選挙が行われる日である。
1911年に生まれた画家は、あの「芸術は爆発だ!」の岡本タロー。
2001年911には、飛行機がN.Yで爆発したが、今年の夏休みの終わりには、タローが爆発できるかどうかに日本の未来がかかっている。
靖国神社に沢山いる友愛の鳩ぽっぽか、それともオーランド・ブルームのテイストを取り入れた「爆発のタロー」か。
年金制度改革も、官僚政治打破も、景気もなにもかも。
爆発せずに、今の日本と世界の閉塞感を打破することはできない。
Mr.Jonny Depp, where r u?
No pirates, no life.
Thank you.
「きゃあァァァァァァァ!」
夕方7時すぎ、ティーンエイジャー・ギャル風の悲鳴が九段の空をリフレインした...
でも誰も彼女を助けようとはしない。
場所は靖国神社のお化け屋敷。
それも、ぼくが小学生の時に流行ったような、それこそマイケル・ジャクソン全盛の80's 、いや、それよりも前の60's風の超レトロなお化け屋敷。そう、きっとあれは映画「三丁目の夕陽」の頃に出来たものにちがいない、それぐらい外から見た全体の雰囲気は「昭和」を感じさせる。そもそもエントランスには「首が長い和服の女」のネックが、びよ~ん、びよ~んと伸びたり縮んだりしているのだ。
プレステや、Wii世代の子供たちにとって、こうしたいわゆる「げげげの鬼太郎」風のお化け屋敷は逆にリアリティがあって新鮮極まりないのかもしれない。確か入場料は四百円ぐらいだったと思うけど、次から次へと客が屋敷に「入場」していく。人気だ!
なにを隠そう、7月13日から7月16日まで九段の靖国神社では毎年恒例の「みたままつり」が行われているのである。
靖国神社のサイトによると、これは昭和22年にスタートした夏の風物詩で、毎年30万人もの人が訪れるという。
恥ずかしながらぼくにとっては、今回が「デビュー」だったが、驚いたのは
1.人の多さ
2.世代の幅広さ
3.外国人の多さ
である。
まず、最初の人の多さだが、とにかく人、人、人 everywhere. ぼくは夕方6時前に着いたんだけど、その時点で境内の中はかなりの賑わい。七時をすぎると帰宅中に立ち寄った神保町あたりのサラリーマン軍団の群れが加勢したこともあって、前進するのも一苦労という緊急事態に!(写真)
放課後に「参戦」している女子高生もあちこちに発見。でも、なぜかすぐ隣りにあるはずの暁星高校のガクラン姿の男性生徒の姿はゼロ。な、なんなんだこのアンバランスは?.........と嘆きつつも、no problem. そのアナを埋め合わせるかのように「外国人軍団」の人数が、これまたモンスター級なのだ!
まだ月も出ていない夕方6時すぎ。
日本陸軍の創始者・大村益次郎像の周りで「月がぁ でた でたぁ」みたいな盆踊り調の曲にあわせ、浴衣姿のおばあちゃん軍団(地元の町内会だろう)のダンス(というか踊りか)がスタート。ぼくは今では亡きマイケル・ジャクソンのMoonwalkの技術を継承している偉大なるダンサーではあるが、あいにく日本の伝統芸能の一つである「盆踊りダンス」はイマイチ得意としていない。
しかし、途中から浴衣を着たギャルや、ホームレス風のおっちゃんや、リクルートスーツを着たキレイなお姉さんたちが次々と踊りの輪の中に「参戦」していくではないか! このように目の前で「挑発」されて1ミリも動けないものは、戦場に行ってもまったく使い物になるまい......ましてや、ブルーのスカイを見上げると、長州藩出身の陸軍創始者がぼくを軽蔑するような目線で見下ろしているではないか。
となれば衝動的に「参戦」。
目の前の60代風のおっちゃんは、酔っ払いにしか見えないのにジャネット・ジャクソンばりの動き。「ちっ、動きを知り尽くしてやがる。悔しいがかなわないぜ」.......と舌打ちをしながらも、カチカチの上半身でその酔っ払いの真似をしようとする。大勢の人が見守るなかで、孤立奮闘するマイケル・ジャクソン...........歌は盆踊り調だったが、「この際、もうヤケクソでムーンwalkでもしてやっか!」と最初の一歩を踏み込んだが、今のぼくは恥ずかしながら「足底筋膜炎」という、”超一流”マラソンランナー特有の「故障」をしているため、無理はできない(先月のプーケットマラソンのコスプレ部門優勝の代償は高かった! )
靖国神社にビヨンセが登場!.......................................?
三秒後にはリタイヤしたぼくだったが、その直後、なんとダンサーズのなかに今をときめく黒人女性シンガーのビヨンセの姿を発見!し、しかもワイハで買ったのだろうかハイビスカス風(に見えた)のウルトラキュートな浴衣を着ているではないか。
「B....Beyonce......!」
と声をかけようと急接近したその直後だった。
急に始まったドラえもん音頭風の次のナンバーにあわせて踊る彼女の軽やかな動きは、まさに野比ノビタならぬ「しずか」ちゃん。Super elegant.
「靖国神社のど真ん中とも言える、大村益次郎が見下ろす場所で浴衣を着た黒人浴衣ダンサーのビヨンセが、な、なんとドラえもん音頭にあわせて完璧にダンスしている!」 ぼくは心のなかでフェラーリーのエンジンのように唸った。
後で勝手にインタビューしたら、アメリカ合衆国出身の20代風の女の子であった。("ビヨンセ"は錯覚だったようだ)
ちなみにこの日、ぼくが靖国の境内をきょろきょろしていた二時間ほどの間に見た外国人の数は、おそらく100人前後いたと思う。それは意外であると同時に、筆に尽くしがたい喜びでもあった。
我々庶民の生活に溶け込んでいる"an ordinary place"
みたままつりに今回初めて足を運んでみて、驚いたことは境内の両脇に掲げられた献灯の多さである。
英霊への感謝と、平和実現への祈りを込めて掲げられるもので、誰でも申し込めるらしい! 大型は一万円から、そして小型は2000円からOkayということなので、自分の名前の刻まれた提灯を一度は観てみたい!という人も、ぜひトライしてみてはどうですか?
どうであれ、この九段の神社は本当に日本人の生活の一部なんだな、とぼくは今回強く感じたし、一部のレフティな日本人、メディアおよび海外で報じられているような「軍事施設・戦争賛美の場所」といったニュアンスとは、かけ離れた存在であることも改めて痛感した。
一ヵ月後の敗戦日には、今年もまた日本メディアが靖国神社に押しかけて、「公式参拝ですか?それとも私的ですか?」といった犬レベルの低級質問を、国会議員たちに投げかけるにちがいありません。
我々が忘れてはならないことは、じつは靖国には日本の繁栄と発展のために若き命を投げ出して、まさに「近代日本の礎」となって散っていった246万もの英霊が眠っている場所である、ということではないでしょうか?
一昨年だっただろうか、敗戦日に靖国に行った時に並んでいたら本殿の手前で人の流れが少し、停まった。
どうしたんだろう、と背伸びして前方をみると、なんと軍服を着たビジュアル系の男たち四、五人があれこれポーズを撮ってカメラに向かって微笑んでいるではないか。このチンカスのようなバンド(チンポバンド=略してCPB)は、なんとPVを撮影していたのである。つまりCPBにとって8月15日に来たのは何も英霊に感謝するわけでもなく、平和を祈るわけでもなく、単なるパフォーマンス以外のなにものでもなかったといえよう。
こうした厚顔無恥なCPBのような連中が、最近では敗戦日に靖国に乗り込むケースが残念ながら増えてきている。恐ろしいことだ。
むやみに騒ぎ立てるのではなく、年に一度のこの日こそ、静寂を大切にすることで英霊に感謝を伝える。
もしかしたら、今年は一ヵ月後、九段まで自転車をこがないかもしれない。
Thank you, and a good dance to you.